日本における墓制が時代とともに変わりゆくお墓の姿をまとめました。

日本における墓制

墓石に納骨する日本のお墓スタイルはここ数十年続いています。
合理性があり市民に受け入れられた結果、日本のお墓文化は現在のように定着したのです。

 

では、日本における墓制はどのようにして現在のスタイルになったのでしょうか?
そもそも墓制とは、お墓がどのように作られるかをまとめたものです。
お墓には遺体の処理形態、埋葬方法、石塔などの建立が関わって来ます。
今でこそお墓には墓石を建てるのが当たり前ですが、いつからそのようになったかも紐解いてみましょう。
日本のお墓文化の成り立ちを解説しつつ、墓制についてまとめたいと思います。

 

墓石が作られ始めたのは江戸時代

故人を供養する価値観が普及した江戸時代

 

昔の日本では火葬は行わず、棺桶に入れて土葬するのが一般的でした。
強い火力が無ければ中途半端に焼け残ってしまうため、火葬は現実的では無かったのです。
また、人々の労力も多くは無かったので土葬するのが効率的です。
土葬する時代では埋めて終わりで、墓石を建てる文化はありませんでした。

 

これが江戸時代に入るとお墓に墓石を添えて、亡くなった故人を供養する価値観が広がり始めたのです。
この頃だと整った墓石は無く、手頃な石をお墓に添える程度でした。
しかし、故人を供養する文化が広がり始め、明治時代に葬儀屋が登場すると劇的に変化していきます。
美しい墓石を建てて名前を彫り、定期的に供養する文化が誕生するきっかけになったでしょう。

 

現代では両墓制が増え始めている

多様化するお墓参りの方法

 

墓制とは別に両墓制というものがあります。
これは遺骨を納める場所と、供養のために祈りを捧げる場所が別に存在することを言います。
例えば、遺骨は故郷の墓地に収めているが、墓参りは近所の墓地で済ませるケースが該当します。
そんな状況があるのかというと、実は増えて来ているのです。

 

現代人はとにかく忙しく、遠方へのお墓参りは金銭的にも負担になります。
そこで増えたのが両墓制で、遺骨が眠る場所とは別に祈りを捧げる場所を作ってしまう方法です。
元々このような考え方は古くから存在しており、沖縄などの地域では当たり前の価値観でした。
遺骨がある場所と故人の魂は別に存在するという考え方です。

 

さらに新しい価値観としては、ネットでお墓参りするサービスが誕生しています。
受け入れがたいと感じる人も多いかもしれませんが、これも1つの両墓制と言えるでしょう。
ネットでIDを入力すると故人の写真が表示され、そこに対してお墓参りを行うのです。
別料金になりますが、実際にお墓の掃除を行ってもらうことも可能です。

 

集団や血の繋がりを大事にする日本人ですが、現代は個々を尊重する時代に変わりつつあります。
それに伴い、今ある墓制が大きく変わることもあるでしょう。
日本の墓制を大切に守ることも大事ですが、供養する気持ちがあれば形に捉われる必要も無いかもしれません。

 

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